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医療法人に対する出資持分の相続税評価について

医療法人に対する出資持分に関する相続財産の評価について、取り纏めたいと思います。
1、相続税の課税の対象となる出資持分について
 医療法人は、大きく区分しますと「財団たる医療法人」と「社団たる医療法人」の2つに分けられます。さらに「社団たる医療法人」は、「持分の定めのある医療法人」と「持分の定めのない医療法人」に分類されます。
 「財団たる医療法人」には、出資持分の概念がありません。また、「社団たる医療法人」のうち「持分の定めのない医療法人」については、出資持分について何らの持分権を有しているものではありません。そのため、「財団たる医療法人」の解散による残余財産分配請求権や「持分の定めのない社団たる医療法人」の出資持分は、相続税の課税の対象とはなりません(国税庁HP)。なお、基金拠出型社団医療法人については、持分としての評価ではなく、基金拠出額を貸付金として相続財産に含めることとなります。
 ただし、「持分の定めのある医療法人社団」については、各社員は社員権として出資に対する持分権を有しており、その持分は自由に譲渡等することができますので、相続税の課税の対象となります。これをまとめますと以下のようになります。

2、「持分の定めのある医療法人社団」の相続税評価について
 医療法人に対する出資持分の評価は、原則として「取引相場のない株式」の評価と同様に評価することになります。ただし、医療法人は通常の法人と異なる部分があることから、以下のような相違点があります(財評通194-2)。
(1) 配当還元価額による評価をしない
   医療法人は、医療法により剰余金の配当が禁止されていることから、配当還元方式による評価ができません。そのため、類似業種比準方式又は純資産価額方式により評価することになります。また、配当還元方式による評価を行わないことから、同族株主等の判定を行う必要もありません。

(2) 類似業種比準方式による差異
   医療法人は配当が禁止されておりますので、類似業種比準方式により評価する場合であっても「1株当たりの配当金額」の要素を除外して計算することになります。そのため、類似業種比準方式による評価の利益及び純資産の2項目により評価することになります(財評通194-2)。
 なお、医療法人は、規模の判定については、「小売・サービス業」として、業種分類については、「その他の産業」として計算することとなります。

(3) 純資産価額方式による差異
   純資産価額方式において評価会社の議決権総数の50%以下である場合には、評価額に80%を乗じる計算がありますが、医療法人では各社員の議決権が平等であることから、財産評価通達185に規定する20%評価減の適用が除外されています(財評通194-2)。

⇒「生前贈与加算」についてはこちら

(2014.10.30)

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